懲戒解雇とは知っておきたいポイント

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最終更新日 2024年11月21日 by hotelli

懲戒解雇は名前のように懲戒として行われる解雇のことで、民間企業が就業規則に基づき判断したり、実際に処分することがある厳しいものです。
懲戒は不正や不当な行為を戒める、制裁的な性質が強いですから、その解雇となれば処分の重みを想像するのは難しくないといえます。

懲戒解雇は一番重い制裁

懲戒にはいわゆる減給もありますが、最も軽い戒告やけん責の次で、更に出勤停止や降格に諭旨解雇・諭旨退職の上ですから、懲戒解雇はまさに一番重い制裁です。
戒告やけん責は従業員の注意や指導に留まり、次に減給だと一定の範囲で給与が減給されることになります。
出勤停止も給与が減るどころか発生しなくなりますが、あくまでも一時的なものですし、身分は変わらず肩書はそのままです。
懲戒処分の重さが増すのはここからで、降格となると流石に肩書が変わりますし、必然的に給与も下がるので実質的な減給を伴います。
諭旨退職は企業側が従業員に退職を勧告して、従業員が受け入れれば自主退職として取り扱うものです。
従わないと懲戒解雇扱いになりますから、自分に非があると少しでも考える人は、諦めて自主退職を選択することになります。
1つ上の諭旨解雇は企業が解雇を伝えたり、解雇予告手当を支払った上で退職金を支払うなどして解雇する方法です。

懲戒処分の最上位に位置する懲戒解雇

そして懲戒処分の最上位に位置するのが懲戒解雇で、解雇予告手当は支払われず、離職票にはそのまま処分名が記載される重いペナルティです。
形式的には、企業側が従業員との契約を一方的に終わらせる形ですから、相当な理由がなければ行われないです。
当然ながら処分に値しない行為であれば、過剰な懲戒処分として従業員に訴えられる可能性があります。
この処分が下されるのは従業員が社内の秩序を乱したり、解雇が妥当と判断される場合のみです。
日本は労働者の保護が手厚い国ですから、理由もなしに企業が従業員をクビにすることはできないと知られています。
その為、通常の解雇でさえもハードルが高いので、懲戒処分となるとより慎重に調べた上で、最終的に処分が下されることになります。
処分自体が不当だと、企業側に訴えられる以上のリスクが発生しますから、本当に懲戒処分の内容が従業員の不正や不当と釣り合うか確認が行われます。

懲戒解雇は適正な手続きを経て処分へと至る

企業側は就業規則の規定や内容に目を通し、適正な手続きを経て処分へと至ります。
つまり、手続きは手順通りに行われるもので、その流れには大きくわけて8つのステップが存在します。
最初は発生した問題行為の調査に始まり、解雇理由に当てはまるか検討へと続くわけです。
就業規則の内容を確認したり照らし合わせて判断するのは次の段階で、ここで従業員に弁明の機会が与えられます。
このようにして段階的に手続きが進められていきますから、誰かが勝手に処分を決めて解雇するといったことは不可能です。
従業員の弁明も踏まえて解雇の通知書が作成され、従業員に解雇を伝えて職場における発表となります。
最終的には失業保険や離職票の手続きが行われ、完了次第従業員は除籍となって解雇されます。

懲戒解雇が行われるケース

懲戒解雇が行われるのは、犯罪行為や会社の社会的な評価を著しく落とすような行為があった場合です。
犯罪行為というのは会社の名前を出して他人を騙そうとしたり、地位を悪用した行為が挙げられます。
またセクハラやパワハラなど各種のハラスメントも度が過ぎると、重大な問題と判断されて解雇に至る恐れがあります。
具体的には何度注意しても繰り返したり、行為がエスカレートするようなケースがあてはまります。
パワハラの場合だと、恐喝どころか傷害のように明らかな犯罪行為と認められれば、悪質と評価されて懲戒解雇の検討が始まる可能性が高まるでしょう。
懲戒処分には6つの段階がありますから、戒告やけん責で済んでいた処分も、繰り返し同じようなことをすれば徐々に処分が重くなっていきます。
言うまでもなく、最終的に行きつくのは解雇ですから、懲戒処分を受けたら何故厳しく処分されるのか内容を含めて理解したり、以後反省して慎む必要があります。
ここで反省していない、あるいは悪いことをした自覚がないと企業が判断すれば、再び行為を繰り返した場合に1段階以上重い処分が下されることになります。
他にも経歴に看過できない詐称があったり、理由もなく長期的に無断欠勤が続けば、段階を踏んで解雇が言い渡されます。

まとめ

いずれにしても、明らかな犯罪行為以外は就業規則に則った判断が必要となりますから、就業規則にも雇用契約書にもない解雇は不当です。
もし従業員が不当に解雇されたと考える場合は、会社に普通か懲戒か解雇の種類を確認することをおすすめします。
例えば電話などで上司からもう出社しなくて良いと言われたとしても、雇用契約上の解雇かどうかは判断がつかないことがあります。
感情的にそう言った可能性もありますし、言ったことを後悔している可能性もありますから、本当の解雇かどうか種類を含めて確認することが大切です。
不当な解雇は裁判で白黒を付けることも可能ですから、訴えるつもりなら詳しい弁護士に相談するのが得策です。