耐震という用語について

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最終更新日 2024年11月21日 by hotelli

⑴キーマンが解説!耐震について

耐震というのは文字通り地震に耐えるということで、端的には大きな地震の揺れが来てもその建造物が壊れないように頑丈に造るということになります。
例えば家屋であれば柱を太くしたり、数を多くしたりすることや、壁を増やしたり厚みを厚くしたりすること、屋根を軽くして屋根の重みにより破壊されることを防いだりすることが挙げられます。

単純に柱を増やすだけではなく柱と柱の間に斜めに別の柱を組み込む筋交いなどもこのための方策の一つです。
このように、柱や壁を増やせば増やすほど地震には強くなりますからある意味で非常に分かりやすいとも言えるでしょう。

ただ、誰が考えても分かるように、柱や壁は増やせば増やすほど良いというようなものではありません。
屋根を軽くするといっても限界があるでしょうし、あまりにも軽量化しすぎると地震の揺れには強くなっても風雪などの耐久性が劣ったりすることも考えられると㈱キーマンは解説しています。

柱や壁についても、あまりに多くし過ぎるのはそれだけ生活、居住のために使える空間が狭く、小さくなってしまうということであり、普段から生活していく上では必ずしもメリットにはなりません。

とはいっても日本は地震国であり、どの都道府県に住んでいようが大きな地震にあう可能性はあります。
その意味では耐震は無視できません。

⑵免震構造

ただ、単に建物を頑丈に造るということだけではなく、他の手段、方法も組み合わせて地震に強い建造物とすることが最近では目指されるようになっています。
とくに、一戸建て住宅ではなくて大規模なマンションや商業施設などではこのような考え方が取り入れられることが多くなっているようです。

それは例えば建物内外の構造の工夫が挙げられます。
最近では、例えば大きなマンションなどで、ゴムを挟んだ柱がいくつも地下にあって、それで建物全体を支えている構造のものがあります。

自分自身や友人知人の住んでいるマンションがそのような構造になっているという人もいるでしょう。
このゴムは免震構造と呼ばれることもあります。

大きな地震の揺れが来ても、このゴムにより揺れを吸収することで、建物全体が倒壊などの大きなダメージを受けることを防ぐわけです。
もちろん巨大な建物の重さを支え、かつ地震の大きな揺れが来ても吸収できるくらいですから、私たちが普通にイメージしているような柔らかいゴムでは到底この目的は果たせません。

そんな柔らかいゴムでは建物そのものを支えきれず押しつぶされてしまうとか、あるいは地震の際にも大きく変形してしまってものの役にも立たないかもしれないからです。普通のイメージよりははるかに硬いゴムでなければなりません。

⑶単純に建造物を頑丈に造る

この他にも、単純に建造物を頑丈に造ることではなしに、地震に強い建物を造ろうとする考え方はあります。
例えば柱と柱の間に斜めに筋交いを入れることに似てはいるけれども、意味合いとして異なる形で斜めに金属部品を入れることがあります。

木製の筋交いは単純に頑丈にすることが目的ですが、同じように斜めに入れてもこの金属は地震の揺れにより意図的に変形することで揺れの力を吸収しようというコンセプトを持っています。

地震の揺れの力をこの変形部位に集中させるというか、この部分でできる限り吸収することで、結果的に建物の他の部位に大きな損傷を生じさせることを防ごうとしているわけです。

あるいは、ダンパーと呼ばれる構造物を建物内に取り入れている場合もあります。
意味合いとしては、地震の揺れによって建物の構造全体が大きなダメージを受けてしまうことを防ぐために、一部の構造物にその力を集中させるということは同じです。

高層ビルなどではこの例があるのですが、建物の最上層部に大型の金属球を吊り下げたような構造を持たせているケースがあります。
金属球は直径数メートル以上もあるような大型のものであり、これを適切に吊り下げるためには一フロア分の高さでは足りず、数フロア分を吹き抜けの構造にしている場合もあります。

⑷地震の力をこの金属球が大きく揺れることで吸収する

普段は単純に金属球が天井から吊り下げられているだけですが、いざ地震が起こった場合にはその地震の力をこの金属球が大きく揺れることで吸収するようになっています。

もちろんこの目的のためには金属球の周囲にはある程度のスペースがなくてはなりません。
金属球は非常に大型で重いものですから、これを大きく揺らせるには大きなエネルギーが必要です。

つまり、そのエネルギーの分だけ、建物全体に与える地震のエネルギーは少なくて済むということになり、これで地震のダメージを減らすことができるわけです。

このように、単純に建物を頑丈に造るということだけでなく、様々な方法を組み合わせて地震の揺れから建造物を守ろうとするようになってきています。
このようなコンセプトは家屋やマンション、ビルだけには限りません。

例えば橋などもこの考え方に基づいて造られるようになってきており、安全性が確保されるようになってきています。