教えて保健科学さん!臨床検査とは何?改めてその意義を考える

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最終更新日 2024年11月21日 by hotelli

保健科学東日本さんに臨床検査について聞いてみた

身体に不調を覚えて病院を受診した時に、問診をして各種の検査を受けることで症状の原因となる病気の確定診断を行うことが可能になります。
もちろん咳が出て喉が痛いし、全身の筋肉痛もあるし発熱している、ような典型的な症状はたいていの場合、いわゆる「風邪」(感染性の上気道炎)とのめぼしは素人でもある程度つけることは可能です。

それは私たちが日常生活の経験則上、「風邪」があまりにもありふれた病気であるが故に、大方の見立てをつけることが出来るからです。
しかし診療室での医師は簡単には確定診断を言わないはずです。

例えば「先生、風邪みたいなのですが」と自分の判断を口にしたところで、「それはこれから検査しますので」と体よくあしらわれることになるのが通常です。

素人でも分かりそうな診断を簡単に下さないのは、何故でしょうか。
それは客観的データに基づいて、診断を下さなければ隠れている病気を見逃すことになりかねないからです。

たかが風邪と高を括っていたところが、いざふたを開けてみたら肺ガンだったと言う事例は枚挙に暇が無いほどです。
肺ガンであるにも関わらず、適切な機会の治療の時期を逸してしまえば生命に関わる事態にも成りかねません。

そこでこのような事態を防ぎ、身体の異常の本当の原因となっている病気を探し出して確定診断を行うために保健科学東日本などで臨床検査が行われることになるのです。

臨床検査とは?

臨床検査と一言で言っても、実に多彩な検査方法を含む多義的な内容を含んでいます。
例えば、誰でも一度は受けたことのある、採血や検尿も臨床検査になります。

私たちが病院に入院して精密な検査を行ういわゆる「精密検査」も包含されますが、じつはこの検査はかなり身近に行われていることが納得いただけることでしょう。

それではどのような検査を含むのか、もう少し具体的に各種の方法を取り上げて見てみましょう。

臨床検査には患者から採取した血液や尿・便などを調べる「検体検査」と、心電図や超音波画像診断などの患者の身体の状態を直接把握する目的の「生理機能検査」に大別することが出来るのです。

両者の違いは医療行為とみなされるかの点にあると言えます。
特に検体検査では患者から検体を採取する行為は医療行為に他ならないので、医療機関でしか行えません。

しかし採取後の検体の状態の検索は適切な湿度や気温などの適切な条件が整備される限り、医療機関以外での専門民間業者に委託することは可能です。

そこで検体検査の一部又は全部を保健科学東日本などの民間機関に委託しているのが現状です。

しかしながら特殊な種類の悪性腫瘍などでは検体の正確無比な検査により、組織型を鑑別することが非常に重要になっているので、大学病院などの専門病院で行われることもあるようです。

代表的な検査で判明する項目

それではそれぞれの検査でどのような状況を把握することが出来るのでしょうか。
私たちの体の内部の状態は各種の数値の変化を総合的に判断して、初めて疾患特定が可能になるという傾向を持っています。

もちろん医師はそれらのデータの傾向や特徴から疾患原因を特定するわけですが、おおまかな検査の特徴を把握しておけば、自分が検査を受ける身になった時に予測をつけることが可能です。
代表的な検査で判明する項目の概要を把握しておきましょう。

血液を検体にすることで、白血球や赤血球などの数値を調べる血液学的事象や血液中の蛋白質や血糖値の状態を把握し、さらには免疫機能の状態も調べることが出来ます。

血液を検体にすることで、糖尿病などの代謝性疾患や肝機能障害、貧血や白血病などの血液疾患の有無、感染症診断など多彩な領域をカバーすることが出来ます。

もちろんどの項目を検査するのかのオーダーは医師の裁量になりますが、血液検査だけでも身体状態をかなり精密に把握出来る特徴を持っていることが理解出来るわけです。

生理機能検査で何がわかるの?

生理機能検査では、心電図や脳波検査などの身体の電気信号の乱れを観察することで、X線画像検査などの画像上の変化を看取できない病気補足も可能になります。

仮に画像上正常と判断されても器質性疾患を発見できる特徴を持っています。
これらの検査は身体への負担が少ない特徴をもっており、妊婦や小児でも安全に検査を行うことが可能です。

放射線被爆などのリスクが少ない検査の括りで言えば、超音波検査も生理機能検査では重要な選択肢です。
専用のジェルを皮膚に塗って、カートリッジをあてるだけで腹部深くの臓器なども画像で状態を把握出来るので、身体的苦痛も伴わないだけでなく、画像で器官の疾病を確認できるので頻繁に行われています。

しかし超音波検査は組織が稠密に存在する肝臓や腎臓などの充実性の臓器の疾患の発見は得意ですが、胃や腸管などの内腔を伴う臓器の疾患の発見には向いていないのでカバーできない猟奇があるのも事実です。

そこで磁気共鳴画像検査(MRI)等の画像検査を併用することで、より正確に臓器の状態を把握する検査なども必要に応じて行われている訳です。